取得から運用、出口まで。アセット・マネジメントに求められる視点とは
不動産アセット・マネジメントの現場では、取得・運用・売却という各フェーズごとに多様な判断が求められます。数字やロジックを軸にしながらも、案件ごとに最適な戦略を組み立てていくため、チームの専門性と経験が大きな価値となります。
クッシュマン・アンド・ウェイクフィールド
投資運用部
投資運用グループ シニアマネージャー
不動産証券化協会認定マスター
髙岡 毬奈
合理的に資産価値を最大化。アセット・マネジメントの仕事とは
ーアセット・マネジメントとはどのような仕事なのでしょうか?
髙岡(以下、同):アセット・マネジメントとは、投資家から預かった資金を不動産に投資し、安定的な収益を生みながら最終的に売却し、利益を最大化する専門業務です。既存の物件を購入することもありますし、新築することもあります。クライアントは外資系のファンドが中心で、扱う物件はレジデンスやオフィス、物流施設、データセンターなどさまざまです。安定運用を求める方もいれば、高リターンを狙う方もいますので、開発やリーシングのリスクも考慮しながらお客様に合った物件や運用をご提案しています。
弊社ではアセット・マネジメントの業務を、入口(アクイジション)・期中管理・出口(ディスポジション)の3つに分けており、私はそのうち期中管理を担当しています。期中管理では、安定した運用を実現するためのリーシング戦略や出口を見据えたキャッシュフローの管理などを行っています。また、期中管理の業務は「不動産周り」と「SPC周り」に分かれています。不動産周りの担当者は、物件自体の修繕計画やリーシングの進捗管理を担い、SPC周りの担当者は投資の媒体であるSPCやストラクチャーの管理、不動産から得られる収益やキャッシュフローなど数値面の管理を行っています。私は主にSPC周りを担当しています。
ーこれまでのキャリアを教えてください。
不動産に携わるようになってから10年が経ち、アセット・マネジメントの経験は4年ほどになります。それ以前は、不動産の管理や資産運用に関するコンサルティング業務に携わってきました。いずれもアセット・マネジメントに通ずる業務内容であり、当時の経験や知識は、現在の業務にも確実に活きていると感じています。
アセット・マネジメントに惹かれた理由のひとつは、その「合理性」にあります。もちろん、不動産を扱う以上、人の想いや価値観が関わる場面も少なくありませんが、最終的には数字やロジックに基づいて判断していく点に、この仕事ならではの面白さを感じています。
専門性を深めながら働ける組織体制
ークッシュマン&ウェイクフィールド(C&W)を選んだ理由は?
前職でもアセット・マネジメントに携わっていましたが、前職の会社の事業の中心はコンサルティングだったため、より大きなプロジェクトでより深く業務に関われるC&Wを選びました。
英語は得意ではないので不安だったのですが、弊社のアセット・マネジメント職の多くが日系企業出身の方ですし、担当する案件にもよりますが、業務の中でも英語を話す機会はそれほど多くありません。ただ契約書類やメールで英語に触れる場面はあるので、抵抗感が大きいと少し苦労するかもしれません。
ー入社後に感じたギャップは?
外資系企業は初めてだったため、入社前はハードな働き方を想像していましたが、実際にはワークライフバランスがしっかりと整っており、安心して働ける環境だと感じています。アセット・マネジメント部門には子育て中の社員も多く、育児に対する理解が非常に深い職場だと思います。互いの状況を尊重しながら、自然にサポートし合うカルチャーが根付いています。
私が担当している期中管理業務は、いわゆる外回りが中心ではなく、クライアントである投資家や士業、金融機関との打ち合わせもオンラインで行うことが多く、在宅勤務も活用しています。基本的には一つのクライアントにつき一人の担当者がつきますが、必ずサブ担当者が配置され、上長も常に状況を把握してくれているため、業務を一人で抱え込むことはありません。
また、業務は入口、期中管理、出口とフェーズごとに分かれ、一つのプロジェクトに複数人が関わる体制です。分業するうえでは情報共有が欠かせませんが、風通しの良い環境のため、意思疎通にストレスを感じることはありません。こうした体制とワークライフバランスの両立が実現できている職場は、非常に貴重だと感じています。
経験を積み、一貫したマネジメントを担える存在へ
ー印象的だったプロジェクトを教えてください。
データセンターの開発案件です。私自身、データセンターというアセットタイプを本格的に扱うのは初めてで、加えて投資家やレンダーも外資系かつ複雑なストラクチャーであったため、検討すべき論点が多く、調整には非常に苦労しました。その際、外銀出身でデータセンターマーケットにも精通している上長のサポートを受けながら進めることができた点は、大きな支えとなったとともに、大変大きな学びがあり成長の機会となりました。C&Wには多様なバックグラウンドを持つメンバーが在籍しており、案件に応じて専門性を持ち寄れる体制が整っていることを、あらためて心強く感じた案件でもあります。
近年はAI需要の急拡大を背景に、データセンター投資への関心が急速に高まっていますが、ファンドスタイルでアセット・マネジメントまで含めて受託できる不動産会社は決して多くありません。C&Wはその数少ないプレイヤーの一社として、関係者からも認知されるようになってきており、またリサーチの部門ではデータセンターマーケットに関するレポートの発信なども行っています。こうした専門的な知見や体制があるからこそ、新たなアセットタイプにも取り組むことができ、案件の幅を広げていける点は、C&Wならではの強みだと感じています。
ー今後の展望をお聞かせください。
今私が取り組んでいるものは特に、決まった「型」がなく、案件ごとに状況や目的が異なり、サポート内容は常にオーダーメイドです。また、市況や金利動向、金融機関の融資姿勢などによって、注目されるアセットや求められる判断も変化していきます。こうした環境の中で経験を積むことで、提案できる選択肢の幅が広がり、チーム内で担う役割や期待される役割も少しずつ変わってきました。
今後は、運用フェーズだけでなく、入口となるアクイジション業務などにも幅を広げ、取得から運用、出口までを一貫して理解し、また難易度の高い案件にも柔軟に対応できる人材になることが目標です。